博士号取得に必要な論文数や学会発表件数は?学位取得したてのポスドクが説明します!

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さとぱん博士です。普段は博士研究員(ポスドク)として研究に明け暮れています。

先月、学部時代に留年した落ちこぼれポンコツ院生の私が、標準修行年限(3年)で学位(博士号)を取得することができました!

博士号取得を目指している方や博士課程進学に興味がある方の中には、学位取得に必要な研究業績(論文・学会発表)の数が気になる方もいらっしゃると思います。

今回は、私が学位を取得した大学や、学会等で知り合った他大学の方々から頂いた情報をもとに、必要な業績数を説明します。

私が学位を取得した時の研究業績も例として公開するので、少しでも参考になれば幸いです。

博士号取得に必要な論文・学会発表数は?

これは博士号取得を目指す方であれば、誰もが気になることかと思います。

結論を言ってしまうと、大学や専攻によって異なります

学会等で知り合った方々の話を聞く限りでは、筆頭著者論文1~2報という基準を設けている大学が多いです。

ただ、最終的には指導教員(主査)の裁量で決まる場合が殆どなので、同じ大学・専攻であっても研究室によって異なる場合もあります。

私の大学は筆頭著者論文1報で学位申請可能でした。

しかも、指導教員の方針はImpact Factor(IF)が0以外の英語雑誌にアクセプトされた論文が1報あればOKという感じでした。

正直かなり甘い方だと思います。

ちなみに京都大学の理学(工学?)研究科は5報必要だったと記憶しています(間違っていたらすいません…)

さすが京大、かなり厳しいですね…

相当珍しいと思いますが、0報で学位を取得された方にもお会いしたこともあります。

その方曰く、指導教員が複数の研究論文に相当する成果を出せていると判断して、学位取得を承認してくださったそうです。

実際に、学生時代に行っていた研究の成果を、学位取得後に5,6報の論文として投稿したとのことです。

私がこれまでに見た中で、最も論文数が多かった方は主著13報、共著5報の計18報だったと思います。

私の所属研究室の先輩に主著8報、共著1報で学位を取得した方がいらっしゃいましたが、9報でもかなりスゴイのに、その2倍なので一瞬目を疑いました。

私の指導教員も長い教員生活の中で18報は初めて見たと仰っていました。

学位取得を目指す方は、大学が設けている基準と所属研究室(もしくは所属希望研究室)の論文出版ペースを調べて、学位を取得できそうかを検討することが大事かと思います。

また、研究室が博士課程学生に学位を与えているかを調べることも重要になってきます。

もし博士4年生以上の学生が数多く在籍していたり、過去に在籍していた博士課程学生に学位を与えていなかったりする場合は、気を付ける必要があります。

前者は研究室webサイトの構成員名簿、後者は卒業生名簿と研究業績一覧を見比べて博士課程卒と書かれた方が著者の論文が業績に載っているかを調べることで、ある程度目星をつけられます。

ちなみに学会発表については、0件は流石にマズいですが、基準を設けていない場合が殆どです。

極端な話ですが、学会発表を100回行っていても、論文が0報であれば学位取得は殆ど不可能です。

ただ、重要視されていないというよりは、博士号取得を目指すなら学会発表は行っていて当たり前という感覚かなと思います。

私の学位取得時の業績は?

私の学位取得時の研究業績は次のような感じでした。

論文(主著) 1
論文(共著) 0(投稿中1)
国際会議(登壇) 口頭2、ポスター2
国際会議(非登壇) 口頭10(うち招待、基調講演等5)
国内学会(登壇) 口頭8、ポスター3
国内学会(非登壇) 口頭4(うち招待、基調講演等3)

上記以外にも投稿予定(to be submitted)の主著論文が1報、共著論文が1報ありました。

ちなみに私の大学では、学部・修士・博士の全業績を計上して学位申請できるので、上記は全ての課程の業績の合計となっています。

主著論文の掲載先の学術雑誌がIF=5程度の分野内でそこそこ有力な雑誌でしたが、1報しか出せなかったのでギリギリの学位取得でした

もし2報以上必須の大学に通っていたら、オーバードクター(留年)確定でした。

学会発表件数は比較的多い方だと思いますが、博士の学位審査では飾り程度の業績なので、殆ど役に立ちませんでした。

(学振DC2・給付型奨学金獲得やJASSO奨学金返還免除の際には頑張って仕事してくれましたが、学位審査では本当に飾りでした…)

まとめ

今回は、学位(博士号)取得に必要な論文・学会発表件数を説明しました。

学位取得基準は大学によって異なりますが、主著論文1~2報という基準を設けている大学が多いです。

学位審査において論文数は非常に重要になってきますが、学会発表件数は学位取得に必要な業績としてカウントされないことが多いです。

ただし、重要視されないというよりは博士号取得を目指すなら学会発表は数をこなしていて当たり前という感覚かなと思います。

学位取得を目指す方は、大学の学位取得基準と所属(希望)研究室の論文出版ペースをもとに、自身が学位を取得できそうかを検討することが重要になってきます。

ちなみに私が所属する大学は基準が甘かったので、主著論文1報で学位を取得することができました。

まとめに入る直前に私の業績を表に纏めてあるので、興味がある方は読んでみてください。

最後に、学位取得を目指す方が無事に学位を取得できるよう祈っています。頑張ってください!!

また、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

プロフィール

さとぱん博士

29歳の博士研究員(ポスドク)
学部生時代に留年したが、大学院入試では筆記試験が免除され、修士課程修了時には奨学金の返還が半額免除された
加えて学振DC2に採用され、博士課程の途中まで借りていた奨学金の返還が全額免除された
学位取得と同時に学振PDに資格変更し、ポスドクとして研究に従事している
塾講師として2年連続で高校受験生全員を第一志望合格に導いたこともある
趣味: カラオケ、アニメ、マンガ、マギアレコード、etc...
※学振研究員が副収入を得るためには受入研究者の許可が必要ですが、AdSense広告では累計収益が8000円になるまで報酬が支払われないため、支払い開始までは広告を貼らせて頂きます。
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