物質量計算は単位を操れば簡単に解ける!!例題の模範解答

学校・勉強

さとぱん博士です。普段は博士研究員(ポスドク)として研究に明け暮れています。

以前、【高校化学】物質量(モル)計算は単位を操れば簡単に解ける!!という記事で、8問の例題をもとに物質量計算のコツを伝授しましたが、例題の解説文が長すぎて読みにくかったかと思います。

そのため、模範解答のみを載せた記事を作成しました。

それでは早速、模範解答に入ります。

例題1

0.5molの水の質量は何グラムになるか求めよ。ただし、水素の原子量は1、酸素の原子量は16とする。

初めに、H2Oのモル質量を求める。

2 × (水素の原子量) + 1 × (酸素の原子量)

= 2 × 1 + 1 × 16

= 18

H2Oのモル質量は18[g/mol]と求まった。

続いて、これに物質量0.5[mol]をかけて質量を求める。

$$18 [\rm{g}/\rm{mol}] \times 0.5 [\rm{mol}] = 9 [\rm{g}]$$

したがって9[g]である。

例題2

3molの水酸化ナトリウムの質量は何グラムになるか求めよ。ただし、水素の原子量は1、酸素の原子量は16、ナトリウムの原子量は23とする。

初めに、NaOHのモル質量を求める。

(ナトリウムの原子量) + (酸素の原子量) + (水素の原子量)

= 23 + 16 + 1 = 40

NaOHのモル質量は40[g/mol]と求まった。

続いて、これに物質量3[mol]をかけて質量を求める。

$$40 [\rm{g}/\rm{mol}] \times 3 [\rm{mol}] = 120 [\rm{g}]$$

したがって120[g]である。

例題3

88gの二酸化炭素の物質量を求めよ。ただし、炭素の原子量は12、酸素の原子量は16とする。

初めに、二酸化炭素(CO2)のモル質量を求める。

(Cの原子量) + 2 × (Oの原子量)

= 12 + 2 × 16

= 44

CO2のモル質量は44[g/mol]と求まった。

続いて、質量88[g]をモル質量44[g/mol]で割り、物質量を求める。

$$88 [\rm{g}] \div 44 [\rm{g}/\rm{mol}] = 2 [\rm{mol}]$$

したがって2[mol]である。

例題4

標準状態において、67.2Lの窒素の物質量を求めよ。ただし、標準状態下では1molの気体の体積は22.4Lであるとする。

窒素の体積67.2[L]をモル体積22.4[L/mol]で割ると物質量が求まる。

$$67.2 [\rm{L}] \div 22.4 [\rm{L}/\rm{mol}] = 3 [\rm{mol}]$$

したがって3[mol]である。

例題5

標準状態において、44.8Lの酸素の質量は何グラムになるか求めよ。ただし、酸素の原子量は16とし、標準状態下では1molの気体の体積は22.4Lであるとする。

初めに、酸素(O2)のモル質量を求める。

2 × (Oの原子量) = 32

O2のモル質量は32[g/mol]と求まった。

続いて、酸素の体積67.2[L]をモル体積22.4[L/mol]で割り、物質量を求める。

$$44.8 [\rm{L}] \div 22.4 [\rm{L}/\rm{mol}] = 2 [\rm{mol}]$$

つまり、物質量は2[mol]である。

最後に、これにモル質量32[g/mol]をかけて質量を求める。

$$32 [\rm{g}/\rm{mol}] \times 2 [\rm{mol}] = 64 [\rm{g}]$$

したがって64[g]である。

例題6

3Lの水の物質量を求めよ。ただし、モル濃度は1.5[mol/L]とする。

モル濃度1.5[mol/L]に体積3[L]をかけて物質量を求める。

$$1.5 [\rm{mol}/\rm{L}] \times 3 [\rm{L}] = 4.5 [\rm{mol}]$$

したがって4.5[mol]である。

例題7

2.5Lの塩酸の質量は何グラムになるか求めよ。ただし、水素の原子量は1、塩素の原子量は35.5とし、溶液のモル濃度は2[mol/L]とする。

初めに、塩酸(HCl)のモル質量を求める。

(Hの原子量) + (Clの原子量) = 1 + 35.5 = 36.5

HClのモル質量は36.5[g/mol]と求まった。

続いて、モル濃度2[mol/L]に体積2.5[L]をかけて物質量を求める。

$$2 [\rm{mol}/\rm{L}] \times 2.5 [\rm{L}] = 5 [\rm{mol}]$$

最後に、これにモル質量36.5[g/mol]をかけて質量を求める。

$$36.5 [\rm{g}/\rm{mol}] \times 5 [\rm{mol}] = 182.5 [\rm{g}]$$

したがって182.5[g]である。

例題8

質量パーセント濃度が31.5%の硝酸のモル濃度を求めよ。ただし、水素の原子量は1、窒素の原子量は14、酸素の原子量は16とし、この硝酸の密度は1.5[g/cm3]とする。

初めに、硝酸(HNO3)のモル質量を求める。

(Hの原子量) + (Nの原子量) + 3 × (Oの原子量)

= 1 + 14 + 3 × 16

= 63

HNO3のモル質量は63[g/mol]と求まった。

続いて質量を求めるが、以降は体積が1[L]であると仮定して計算する。

1[cm3] = 1[mL]なので、1[L]を[cm3]単位に直すと次のようになる。

$$1 [\rm{L}] = 1000 [\rm{mL}] = 1000 [\rm{cm^3}]$$

これに密度1.5[g/cm3]をかけると、溶液の質量が求まる。

$$1.5 [\rm{g}/\rm{cm^3}] \times 1000 [\rm{cm^3}] = 1500 [\rm{g}]$$

これに質量パーセント濃度をかける。

$$1500 [\rm{g}] \times \frac{31.5\%}{100} = 472.5 [\rm{g}]$$

硝酸の質量は472.5[g]と求まった。

続いて、最初に求めたモル質量[g/mol]と質量[g]から物質量[mol]を求めます。

次に質量472.5[g]をモル質量63[g/mol]で割り、物質量を求める。

$$472.5 [\rm{g}] \div 63 [\rm{g}/\rm{mol}] = 7.5 [\rm{mol}]$$

これを体積1[L]で割ればモル濃度が求まる。

$$7.5 [\rm{mol}] \div 1 [\rm{L}] = 7.5 [\rm{mol}/\rm{L}]$$

したがって7.5[mol/L]である。

プロフィール

さとぱん博士

29歳の博士研究員(ポスドク)
学部生時代に留年したが、大学院入試では筆記試験が免除され、修士課程修了時には奨学金の返還が半額免除された
加えて学振DC2に採用され、博士課程の途中まで借りていた奨学金の返還が全額免除された
学位取得と同時に学振PDに資格変更し、ポスドクとして研究に従事している
塾講師として2年連続で高校受験生全員を第一志望合格に導いたこともある
趣味: カラオケ、アニメ、マンガ、マギアレコード、etc...
※学振研究員が副収入を得るためには受入研究者の許可が必要ですが、AdSense広告では累計収益が8000円になるまで報酬が支払われないため、支払い開始までは広告を貼らせて頂きます。
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