貸与型奨学金を使って投資するメリット

大学院

さとぱん博士です。普段は博士研究員(ポスドク)として研究に明け暮れています。

研究に専念する傍ら、投資による資産運用も行っています。

今回は、貸与型奨学金で投資することのメリットをお伝えします。

※ここでいう貸与型奨学金とは、日本学生支援機構(JASSO)の第一種貸与型奨学金を指します。

恐らくこの奨学金を借りている学生は多いのではないかと思います。

貸与型奨学金って借金でしょ?

それを投資資金にするなんて馬鹿なのかしら?

と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、この記事を読むと「奨学金を投資資金にするのもアリかもしれない!」と思うかもしれません。

貸与型奨学金を投資資金にする3つのメリット

早速、JASSO第一種貸与型奨学金を投資資金にするメリットを見ていきましょう。

それは以下の3つです。

  1. 無利子
  2. 機関保証制度を選択しても保証料が年間約3%
  3. 大学院生の約2,3人に1人は、全額もしくは半額分の返還が免除される (学部生の場合はこのシステムが無いので、ちゃんと全額返還しないといけません)

一つずつ順に説明していきます。

第一種貸与型奨学金は無利子

これは投資資金にする上でかなりのメリットではないかと思います。

有利子の借金であれば、借りてまで投資する必要はないかと思います。しかしJASSO第一種奨学金は無利子の借金です!

投資対象の主流である(と私は思っている)インデックスファンドの年率リターンは概ね5~7%程度と言われています。

つまり、第一種奨学金をインデックスファンドへの投資資金とすると、無利子で借りたお金を使って年間5~7%の利益を得られる可能性があるということです!!

奨学金の返済中も資産は増えていくので、結果として大きな利益が得られるかもしれません。

第一種奨学金で投資するメリットは分かったけど、有利子の第二種だとどうなの?

と思った方もいるかもしれません。

第二種奨学金の利率ですが、ここ10年ほど1%を下回っており、非常に低い水準となっています。

下のグラフは、2007年以降に採用された方が2007~2020年の3月に貸与修了した場合の返還(利率固定方式・基本月額)の利率を表しています。(参照データ: 平成19年4月以降に奨学生に採用された方の利率)

返還利率が1%を下回っているのであれば、インデックスファンドの期待年率リターンより低いので、第二種奨学金で投資したとしても利益が損失を上回る可能性が高いと思います。

今後は返還利率が1%を超える可能性もゼロではありませんが、JASSOは最大年間利率を3%と定めています。

そのため、利率が上がってもインデックスファンドの年率リターンを上回る可能性は低いので、利率が上昇する可能性を考慮しても投資資金にする価値はあると思います。

ただし、機関保証制度を選択して貸与を受ける場合は、利率と保証料の合計が5%を超える可能性があるので、この場合は注意が必要です。

機関保証制度を選択しても保証料が年間約3%

これも上の無利子と同じような感じです。

機関保証の保証料を利息と見なしたとしても、年率リターンがそれを上回れば利益になります。

逆に言えば、奨学金を借りて手を付けずに取っておくだけでは、貸与期間中は約3%/年の損失を被ることになります。

なので、使わずに放置するくらいなら投資資金にしてしまう方が良いでしょう。

また、JASSO貸与型奨学金の機関保証制度には保証料の返戻制度があります

これは、借りた奨学金を繰り上げ返済すると貸与期間中に支払っていた保証料が一部戻ってくる制度です。

つまり、学生のうちに奨学金で資産運用を行い、卒業と同時に貸与額と同額の金融資産を切り崩して全額返済すれば、保証料を殆ど支払わずに利益が得られることになります。

ただし、卒業時点で金融資産額に損失が出ている場合は、この方法はオススメできません。投資信託の評価額が上昇し、利益が出るまで待った方がいいです。

大学院生の約2,3人に1人は、全額もしくは半額分の返還が免除される

このシステム、意外と知らない人が多いのではないでしょうか?(日本は大学院進学率自体が低いので該当する方は少ないかと思いますが)

大学院では、貸与者の9人に1人が全額分、9人に2人が半額分の返還が免除されます。

しかも、博士課程だと学振*(上位約20%の優秀な学生)を受給していたり、そもそも社会人学生だったりして、奨学金の貸与を受けていない方も割といるので、上位50%程度に入れば返還免除を狙える可能性があります。

*学振の研究奨励金を受給している方はJASSOの奨学金を借りれません。

ちなみに、私も修士課程在学中に借りていた奨学金の返還が半額免除されました。

ちなみに、返還が免除されると、次のような認定証が貰えます。

私は

砂糖博士
砂糖博士

無利子で返還が免除される可能性もあるなら奨学金で投資しても大丈夫だにゃ!

と思ったので、貸与型奨学金を投資資金にすることにしました。

貸与型奨学金で投資する際の注意点

ただ、貸与型奨学金で投資を行う際には大きな注意点があります。

奨学金を学費支払の資金にしている方は、投資資金にせずに引き続き学費支払いに充てるべきです。

投資に回したせいで学費未払いになり除籍処分!なんてことになったらシャレにならなりませんのでw

まとめ

最後に、私が考える貸与型奨学金で投資するメリットを箇条書きで纏めさせて頂きます。

  • JASSO第一種奨学金を投資資金にするメリットとして、無利子、機関保証費は年間約3%、大学院生であれば奨学金の返還が免除される可能性があるといったことが挙げられる
  • ただし、奨学金で学費を支払っている場合は、その分を投資資金にしてしまうと、学費未払いになってしまう可能性があるので注意しましょう
プロフィール

さとぱん博士

29歳の博士研究員(ポスドク)
学部生時代に留年したが、大学院入試では筆記試験が免除され、修士課程修了時には奨学金の返還が半額免除された
加えて学振DC2に採用され、博士課程の途中まで借りていた奨学金の返還が全額免除された
学位取得と同時に学振PDに資格変更し、ポスドクとして研究に従事している
塾講師として2年連続で高校受験生全員を第一志望合格に導いたこともある
趣味: カラオケ、アニメ、マンガ、マギアレコード、etc...
※学振研究員が副収入を得るためには受入研究者の許可が必要ですが、AdSense広告では累計収益が8000円になるまで報酬が支払われないため、支払い開始までは広告を貼らせて頂きます。
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