さとぱん博士です。普段は博士研究員(ポスドク)として研究に明け暮れています。
博士課程に進学希望であったり、在学中の多くの方々が学振に申請するかと思います。
学振申請書の研究計画内にインパクトや将来の見通しについて書く箇所があります。

学振に出す予定だけど、研究のインパクトを上手く伝える方法が分からない…
と困っている方は、是非とも読んでみて下さい。
今回はその部分の書き方について少ししたコツをお伝えします!
それは自身の専門外の事に言及する事です。
実際に私も、この部分に専門外の内容を書いて学振DC2の採用内定を頂きました。
私が考える専門外の事に言及すべき理由は以下の3つです。
- 幅広い知識を有していると評価され、好印象を与えられるから
- 幅広い分野に波及効果がある研究だと評価されるから
- 精通していない内容ほど枕詞を選びやすいから
以下、それぞれの理由について詳細に説明していきます。
幅広い知識を有していると評価され、好印象を与えられるから
そもそも学振特別研究員とは、将来の学術研究を担う優れた若手研究者を養成・確保するための制度です(日本学術振興会特別研究員-制度の概要(PD・DC2・DC1)より)。
そのため採用内定を頂くには、審査員から優れた若手研究者であると評価されなければいけません。
実際に研究者は以下のような場合に、幅広い知識を要求されます。
- 先行研究に関する文献調査
- 他分野の研究者との共同研究
そのため、専門分野以外の知識も有していると評価されれば、好印象を与えられ、研究者の資質があると評価される可能性があります。
審査員から優れた研究者たりうると評価されれば、学振の評価項目にもなっている『研究者としての資質』の高評価に繋がります。
特に、ここ数年の論文を引用すれば、最新の研究情勢にもアンテナを張っていると思ってもらい、好印象を与えられるかもしれません。
幅広い分野に波及効果がある研究だと評価されるから

学振特別研究員に採用されると、科学研究費助成事業の助成を受けられます。
そのため、採用されるには科研費と同様、研究費を資するに値する研究だと評価される必要があります。
申請者自身の研究者としての資質・将来性以外にも、研究課題自体の価値も重要になってきます。
恐らく審査員は『研究課題の今後の展望』も評価するため、波及効果が広く、将来性があると評価されれば好印象に繋がります!
精通していない内容ほど枕詞を選びやすいから
前の2つは半分常識ですが、これは知らない方が多いかもしれません。
審査員は申請者の研究分野に精通していない可能性が高いです。
そのため、専門用語を用いる場合は適切な枕詞を用いる必要があります。
枕詞を付けずに専門用語を使ってしまうと、意味が通じず、悪印象を与えてしまう恐れがあります。

自身が精通している分野について書こうとすると、専門用語に慣れてしまっているため、適切な枕詞がパッと思い浮かばないことがあります。
最悪、枕詞を付けずに専門用語を使ってしまう可能性もあります。
逆に自身が精通していない内容については、そもそも自分自身が枕詞が無いと意味が分かりません。
そのため、適切な枕詞が自然に思い浮かびやすいです。
注意点

ただし、専門外の事を書く場合にも注意点があります。
付け焼刃の知識で専門外の事を書いてしまうと逆効果になってしまいます。
知識が充分でないと嘘の内容を羅列する羽目になりかねません。
もし審査員の中に、その内容に精通した方がいればデタラメを書いたと一発でバレてしまいます。
そうなると非常に悪い印象を与えてしまい、採用内定を頂くことは絶望的になってしまいます。
そのようにならないためにも、ある程度の勉強は必須になってきます。
理想は記述する事柄に関する学術論文を読んで、その内容を理解することです。
最低でも、Wikipediaやネット記事に書かれている程度の事は理解しておきましょう。
まとめ
今回は学振申請書内の『インパクトや将来の見通し』で専門外の事に言及すべき理由を説明しました。
その理由は以下の3つです。
- 幅広い知識を有していると評価され、好印象を与えられるから
- 幅広い分野に波及効果がある研究だと評価されるから
- 精通していない内容ほど枕詞を選びやすいから
ただし、専門外の事を申請書に書く際には付け焼刃の知識ではダメなので、ある程度の勉強はしておきましょう。
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