さとぱん博士です。普段は博士研究員(ポスドク)として研究に明け暮れています。
今回は、私が考えるブラック研究室の特徴についてです。
ブラック研究室と聞いても、

ブラックとは言っても、所詮は学生なんだから社会人より楽なんでしょ?
と思われる方もいるかもしれません。
この記事を読めば、その考えが変わるかもしれません。
また、今年研究室に配属される予定の学生の中には、

もしブラック研究室に配属されてしまったらどうしよう?
どれくらい大変なんだろう?
と思っている方もいるかと思います。
そのような方の疑問にも応えていこうと思います。
本題に入る前に、ブラック研究室の定義について説明します。
正直なところ、ブラック研究室には明確な定義がありません。
同じ研究環境でも、人によってブラックだと感じることもあれば、そう感じない人もいます。
そのため、人によってブラック研究室の定義は違ってくると思います。
この記事では、私が考えるブラック研究室の特徴を説明します。
私が考えるブラック研究室の特徴として以下の4点が挙げられます。
- 常時週休0日で、教員が学生に対して徹夜研究を強要してくる
- 教員がしょっちゅう怒鳴っている
- 学部生が1人もいない
- 日本人の博士課程学生が全然いない、もしくは博士4~6年次の学生が大勢いる
1. 常時週休0日で、教員が学生に対して徹夜研究を強要してくる
これは俗に言うブラック企業にも言えることだと思います。
ブラック研究室には明確な定義がありませんが、労働基準法に照らし合わせて、違反していると判断できる事項があればブラック研究室と判断していいような気がします。
実際、週休0日で徹夜する日もある、となってくると殆どの方がブラックだと感じるでしょう。
第一、こんなスケジュールで研究していたら心身に悪影響を及ぼします。
しかも質が悪いことに、学生は労働基準法で守られていないため、労働基準監督署(労基)に助けを求めても助けてくれません。
加えて、超最悪なケースとして教員と大学がグルになっている場合もあります。
ブラック研究室の教員が大学の研究実績に大きく貢献している場合は、懲戒免職でその教員を処分すると大学の評価が下がりかねません。
(研究実績がショボい教員がパワハラした場合は、恐らく普通に処分されますがw)
その場合は学生がパワハラを訴えても、大学は学生側に休学を促すか、無視するかの二択です。
私が通っている大学でも毎年数人の学生が自殺しているそうですが(ウチの研究室の教授が酔っ払った時に口走っていましたw)、大学側は事故として処理し、パワハラが発覚した場合も揉み消すそうです。
まさに大学の闇という感じですねw
2. 教員がしょっちゅう怒鳴っている

これもブラック企業にも当て嵌まる特徴かと思います。
企業でもパワハラが問題視されていますが、大学の研究室でも同じようなことが起きてます。
学生が盛大にやらかした時に怒鳴る人もいますが、パワハラ目的でなければ高頻度で怒鳴ることはないでしょう。
実験中にやらかすと事故のもとになることもあり、最悪の場合死人が出るので怒るのは当然です。
しかし、事故に繋がるような失敗をしている訳でもないのに、しょっちゅう怒鳴るとなると話が変わってきます。
その場合はパワハラとみて間違いないでしょう。
『ブラック研究室の教員の特徴』という記事も読んで頂くと、ブラック研究室の教員がどんな人物なのか、よりイメージしやすくなるかと思います。
3. 学部生が1人もいない
これは、知る人ぞ知るブラック研究室の特徴です。
通常、理系大学では4年次(大学によっては3年次)に進級する時に研究室に配属されます。
しかし、誰も配属を希望しない研究室は学部生が0人になってしまいます。
※大学・学部によっては、どの研究室にも最低1人は配属されるよう調節する場合もあります
しかも、その状態が数年連続で続いている研究室は、ブラック研究室が多いです。
なぜ数年連続で誰も配属を希望しないか?という事になってきますが、その研究室がブラック研究室であるという事を学生が知っているからです。
このような研究室の構成員は、教員・研究員(大半が外人さん)・留学生・他大学から来た大学院生であることが多いです。
外国人研究員や留学生が多いのは、ブラック研究室の教員には外人さんに対しては優しい人が多いからです。(さすがに大学教授レベルの人でも母国語以外で理不尽に怒鳴り散らすのは難しいのでw)
他大学から来た大学院生が多いのは、単純にその大学の研究室の情報を持っていないからです。
しかし、同じような構成員の研究室で、日本語が話せない外国人教員が運営しているけれど、ブラック研究室ではない場合もあります。

このケースは、研究室配属前に研究室見学に行き、雰囲気を確かめたり、その研究室の日本人学生と直接話してみると簡単に見分けがつきます。
日本人学生の目が死んでおらず、週休もあるようならばブラック研究室でないと判断して大丈夫かと思います。
4. 日本人の博士課程学生が全然いない、もしくは博士4~6年次の学生が大勢いる
博士課程学生が全然いないという事ですが、ブラック研究室だったら誰だって博士課程まで残りたくないですよね?w
私も絶対に嫌です。
そんなわけで、単純に博士課程まで進学する学生が少ないことが理由です。
しかし、教員としては博士課程まで残って長期間研究に従事してくれた方が良いですよね?
そこで、脅して強制的に博士課程まで進学させ、年限ギリギリまで在学させて長期間こき使う教員も出てきます。
そのため、博士4~6年次の学生が大勢いることもブラック研究室の特徴として挙げられます。
典型的な脅しのパターンは以下の通りです。
(私の知り合いのブラック研究室在籍経験者の情報に基づいています)
就職中の修士課程2年次の学生に対して

その程度の業績で修士号取れると思ってるの?
就活してる暇があったら研究しなよ、じゃないと留年しちゃうよ?
と言い、いざ内定が無い状態で修士課程を修了しようとすると、

新卒至上主義の日本で新卒資格を失ってまともな職に就けると思ってるの?
博士課程に進んで引き続き研究しなよ
と脅してくるそうです。
2個目の台詞は中退を考えている学生に対しても言ってくるそうです。
ここで断れれば良いのですが、進学してしまう学生も少なくないという事は、日常的にパワハラを受けてマインドコントロールされてしまっている学生も多いのだと思います。
まとめ
最後に、この記事の要点を箇条書きで纏めさせて頂きます。
ブラック研究室の特徴を説明してきましたが、ブラック研究室の特徴として以下の4点が挙げられるかなと思います。
- 週休0日で、しかも教員が徹夜研究を強要してくる
- 教員が学生を必要以上に怒鳴っている
- 学部生が1人もいない
- 日本人の博士課程学生がいない、もしくは博士4~6年次の学生が大勢いる
最後に断っておくと、私自身ブラック研究室に所属したことがないため、細かい実情を完全に把握できている訳ではありません。
そのため、この記事の内容は、あくまで一つの例として参考に頂けると幸いです。
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